超ロングセラー映画ブレードランナーのすべてのバージョンについて書いてます。
1982年夏の公開時は大ヒット作E.Tに隠れてブレードランナーの興業は振るわず日本でもロードショーでは全く人気がなくすぐに上映が打ち切られた。2020年レプリカントが人類に宣戦布告というスター・ウォーズ系SF映画を思わせる広告コピーのため関係者が来場しなかった。その後ブレードランナーのビデオが発売・レンタルになってからは記録的な販売となり改めてSF映画の傑作のひとつという評価を得ている。監督のリドリー・スコットはエイリアン(1979年)に次ぐ2作目となる本作でも独自の映像感覚を披露し技術と退廃にまみれた近未来の巨大都市を表現した。ブレードランナーのレプリカントのリーダーのバッティ役のルトガー・ハウアーは人造人間の狂気と悲しみを演じ強烈な印象を残した。ブレードランナーのレイチェル役のショーン・ヤングとプリス役のダリル・ハンナも本作から注目された。本作には諸般の事情により他映画作品ではない5つの異なるバージョンが存在する。とくに監督が再編集した1992年のブレードランナーディレクターズ・カットでは作品の解釈を変えるような意味深な場面が追加されファンの間で物議を醸した。
これら5つのバージョンは日本で2007年12月14日に発売されたDVDボックスブレードランナー製作25周年記念アルティメット・コレクターズ・エディションで全て見る事ができます。ブレードランナーリサーチ試写版は本作公開前に観客の反応を見る為に作られたバージョン。監督が意図した作品に一番近いと言われている。 ブレードランナー初期劇場公開版は北米で初めて上映されたバージョン。ブレードランナーリサーチ試写版で不評だった点を改善し一般受けを良くしようとした。ハリソン・フォードのナレーションの追加及び結末のハッピーエンド化などを行った。ブレードランナーインターナショナル・バージョンはヨーロッパや日本で公開されたバージョン。ブレードランナーディレクターズ・カットは1992年に公開10周年を記念し再編集されたバージョン。ブレードランナーファイナル・カットは2007年公開25周年を記念し再びリドリーの総指揮によって再編集されたバージョン。ディレクターズカットを基にファンには周知の細かい撮影ミスの修正を最新デジタル技術を駆使しHD時代の視聴にも対応させた版です。
ブレードランナーとレプリカントは原作アンドロイドは電気羊の夢を見るか?には出てこない。これはある日本人のスーパーバイザーが考えたものである。その影響もあり日本的な映像をブレードランナーにとりこんである。とくに強力わかもととビルに大きく映し出された芸者はスーパーバイザーの強い要望が働いたとされている。なおブレードランナーという言葉はウィリアム・S・バロウズの小説ブレードランナーから取られたとする説が有力でブレードランナーのエンドロールでは題名使用に対してバロウズへの謝辞が書かれているが小説の内容自体はブレードランナーとは全く関連性はない。 原作との関係は原作小説人間そっくりの人造人間を見つけだす専門家というアイデアは踏襲しているがブレードランナーでは無常アクション調に改めてあり別作品とみることもできる。原作者のフィリップ・K・ディックは製作会社にブレードランナー映画化権を売った後に製作には関与していない。ディックはハンプトン・フィンチャーが書いた脚本第一稿に難色を示しデイヴィッド・ピープルズの改稿に満足したといわれるが映画の完成を待たずに急逝した。